吉村恵 mezzosoprano’s diary

オペラ歌手 吉村恵のオフィシャルブログ

こうもりの復讐

しつこく驛の食卓での「こうもり」のお話。

 

今回の上演は演出家がいないので台本を作るにあたって、いつもどんな作品でも深く考えて演じているある歌手に、絶対に面白くなるであろうと頼み込んで作ってもらうことにしました。

歌手にこの様な作業を頼むのは、はっきり言って…失礼ですよね。でも、絶対に面白くなるはず!とお願いする事にしました。本業でもないのに引き受けてくれて、心から感謝。

 

昨晩の稽古には参加出来なかった作者に、稽古の様子を報告がてらキャストから出てきた疑問を相談。すると、この「こうもり」を上演するうえで何が大切なのか、何が明確になっていれば、お客様に解りやすくなるのか等…色々と見えてきました。

 

このお話は、3年前のある仮装パーティーの帰り、アイゼンシュタインは酔っぱらった友人ファルケを街中にこうもりの恰好のまま置き去りにし、目を覚ましたファルケは大勢の人々の笑いものにされて以来「こうもり伯爵」と呼ばれるようになり、その復讐をするというお話。

 

ファルケは何人かに手紙を送ったりして協力者を得ていますが、その協力者が果たして何人いるのか。

ファルケの復讐計画を100%知っている人物がいるのか。

復讐劇の会場となるオルロフスキー公爵邸、彼はこの計画をどこまで知っているのか。

パーティーに来ている人物の中に100%何も知らない人物はアイゼンシュタイン以外にいるのか…。

 

など、なかなか濃い話し合いをすることが出来ました。

 

色々な考え方があるでしょうし、プロダクションによって違うだろうし、何が正解かは分かりませんが、今回はこれだ!という納得のいく筋道がなんとなく見えてきました。

ここに書き残したいけど…こんな演出の見たことない気がするので、終わったらゆっくり語りたいな…。と思います。

 

とっても有意義な話し合い。ますます公演が楽しみになってきました。

 

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それから友人のブログで私の記事を紹介いしてもらいました。

ameblo.jp

自分で企画してイベントを開催しているプレイヤーはたくさんいますが、皆さん同じようにこの言葉に悩まされています。

 

彼が言うように【チケット代が自分の評価より高い】のだとしたら、こちらは「これだけの人が、真剣に、これだけの期間、この作品について考えて、作り上げています!」てのが伝われば、少しは興味をもってもらえるのでしょうかね。。

 

オペラの場合は【興味がない・わからない】という人がほとんどなので、まずは【興味を持ってもらう】ことからスタート。でもこんな楽しいことを知らないなんて損!!って私は思うのです。

 

めげずにオペラファン増殖計画、旦那さんと相談しながら今年は色々試してみる年です!