吉村恵 mezzosoprano’s diary

オペラ歌手 吉村恵のオフィシャルブログ

言葉の大切さ

オペラを歌う時、他の言語もありますが、殆どイタリア語の物が多いです。

今度の驛の食卓での公演「こうもり」は原語はドイツ語ですが日本語での訳詞による歌唱です。
なので字幕は出しません。

て事は、聞き取れるように歌わなければ伝わらないのですよね。何も…

実は日本語で歌うのはとっても難しいです。
我々が身につけている歌唱法は大抵イタリア語をベースに作られています。
イタリア語を発音する時の母音の響きと日本語の母音の響きとが違うからだと思うのです。
口を開かなくても話せる日本語と、そうではないイタリア語。

そして音楽も言葉のイントネーションが訳詞にした事で必ずしも一致しないのです。

でもその歌唱法でないと声が響かないから、そうすると日本語に聞こえないところが出てきたり。
普通に喋ってる時よりハッキリ子音を出さないとそのように聞こえなかったり。。
稽古の録音聞いたら、全然その言葉に聞こえなかったり。。

でも、イタリア語が分からない母の意見ですが、イタリア語のオペラを見ていて、言葉はわからないけど言葉がちゃんと聞こえる人の歌と芝居にはのめり込めるのだとか。
逆にフワフワと聞き取れないと感動しないのだとか。

まさに言霊だなと思いました。
言葉には人の力を動かす力があるんです。
だから、言葉を大切に稽古を重ねていきたいと思います!
今日もこれから「こうもり」の稽古!
頑張るぞー!