吉村恵 mezzosoprano’s diary

オペラ歌手 吉村恵のオフィシャルブログ

『オペラは敷居が高い』はもう絶対に言わない!

ブログの文字が小さくて見えないとの指摘を母から貰ったので、大きめで今回から書いてみようと思います。

意外によく聞く言葉ですが、
『オペラは敷居が高くて…』
とか、
『オペラは敷居が高いと思ってませんか?』
なんて、舞台に立ってる我々からも発していたりします。

意味合いとしては、
「近寄り難い」
「高級すぎたり、上品すぎて入れない」
だと思っていました。
もちろんこの使い方も今では間違いではないのです。
でも、最近テレビを見ていて知ったのです。本当の意味。

元々は、
「不義理や面目のないことがあって、その家に近づけない」
って意味なんだそうです。
ドラマとかで聞く、
「もう2度とうちの敷居は跨がせません!」
というのに対して、
「あそこは敷居が高いんですよね」
みたいな事でしょうね。

て事はですよ。
『オペラは敷居が高い』というのは、
「1度は劇場に足を運んだけど、不義理をしてしまって行けない」
という事になってしまうのかと。。

観た事がない方がご自身で
「上品すぎて…」との意味で使われるのはまだ良いとして、舞台に乗る側からこの発信の仕方は、お客様に失礼ではないか!!

お客様に、
「以前不義理をしたでしょ?」
と投げかけているような物かなと。。

聞いている方がそんな風に捉えるかどうかは別として、知ってしまったからにはもうそんな言い方やめよ。と思いました。なんとなく自分が不愉快ですし。

それに、マイナスな表現からお客様に興味を持ってもらうよりも、『とっても面白いですよ!』の方がシンプル!

実際、劇場では映画と同じように字幕が出ますし、お客様も面白い場面では声を出して笑うし、感動すれば涙も流します。

生の演奏は、映画館でスピーカーに囲まれて映画を見るより、もっともっと良い!

最後に舞台とお客様が一体になって同じ時間をお互いの立場で楽しんだ事に感動を覚えます。

だから、オペラ観るのも、演奏するのもやめられないんですよね!